食料廃棄物(茶葉の端材)から生まれた新しい「Re:」シリーズ Re:Green tea 発売のお知らせ
SAN&では2023年にクラウドファンディングにて、食料廃棄物を原料とした循環型SDGs食器の第一弾として「Re:Cafe」シリーズを展開してきました。
この度、コーヒーの出がらしから作られたRe:Cafeに続いて、Re:シリーズの第二弾としてあらたに茶葉の端材から作られた茶器「Re:Green tea」を追加し販売いたします。
持続可能なモノづくりを実現する【SDGs食器】とSAN&が目指す、「三方よし」
Re:Cafe(リ・カフェ)はコーヒーは世界で石油の次に取引量が多いとされる一方で、使用後のでがらしは水分を含み燃えにくく土壌でも分解されない性質がありコーヒー消費量が拡大するなかで、その処分方法についての課題が見えるなかで生まれたサスティナブル商品でした。
今回の新商品に関してもSAN&の考える「三方よし」の考えを踏まえて取り組んだ結果生まれた商品となります。
今回そんな「Re:」シリーズの第二弾「Re:Green tea」に必要な釉薬として使用する原料を提供いただいた北精園(新潟県村上市)の中村様に事業の中での課題と課題解決にむけた今回のSAN&との取り組んだ結果について、お話を伺いました。
日本最北の茶の商業産地で栽培される茶葉
Profile中村春菜学生時代に在学中からモデルの仕事を始め、卒業後は歯科衛生士として働きながらモデル活動も続ける。2021年に父親が150年続くお茶屋を受け継ぎ、「北精園茶舗」のディレクターも務めている。
■北精園ディレクター
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——SAN&の「Re:」シリーズの制作にあたり、ご提供いただいた北精園さんの茶葉ですが、どのような地域で育った茶葉なのでしょうか
北精園は江戸時代から続く約400年の歴史を持つ村上の茶産地、瀬波地域に位置します。厳しい気候と海の影響を受ける土地で、明治元年に創業した渡辺製茶舗を起源に、今も農薬不使用の茶作りを守っています。
——瀬波といえば、海のイメージがあり寒暖差も厳しそうですがそうした日本最北の地の気候が村上茶特有のな味わいを引き出しているんですね。
村上茶の栽培から製造・販売まで、自社一貫で行っています。
150年の歴史ある在来種を無農薬で育てているのでそのぶん手間暇はかかりますが、大量生産ではかなわない伝統の美味しさを守っています。
——栽培するうえで苦労することがあると思うのですが
虫が大の苦手なので、茶摘みの時はいつも大騒ぎですが、美味しいお茶を安心して飲んでいただきたいので頑張っています!
——それはとても大変ですね(笑)
栽培している茶葉は150年物の在来種なので、茶の木の生え方が不揃いで、機械でわーっと一気に収穫することが困難です。手積みで行う場所もあります。今の時代に手積みを行っている茶園はかなり少ないと思います。
——収穫までの栽培期間、収穫期間ともに苦労されていますが機械ではない手作業ということろからも、茶葉を大切に扱われていることが伺えますね。大切に収穫された北精園さんのお茶はどのような特徴があるのか教えていただけますか
村上市は、年間を通して日照時間が少ないため、苦味成分であるカテキンが生成されづらく、その代わりに旨味成分であるテアニンがよく抽出されます。このテアニンは、最近話題のリラックス成分で、ストレス緩和や睡眠の質向上に良いとされています。
また、やぶきたなどの品種改良されたものではなく、150年物の在来種を育てていることも特徴です。すっきりとした飲みやすさの中に、この土地のパワーを感じるワイルドさも味わっていただけると思います。
——なるほど!地域の気候にあった品種の茶葉なんですね。ちなみに農薬などは使われていないとお伺いしました
はい、無農薬で育てているので、安心してお茶の味をじっくりと感じていただけたら嬉しいです。
——村上といえば水も美味しいので、美味しいお茶が頂けそうです。出荷されているお茶には復数の銘柄があるようですが、一つお勧めしていただくとするとどちらのお茶でしょうか
はい、北精園では現在7つのお茶を販売していますが、是非飲んでいただきたのは「銀嶺(ぎんれい)」です。
——銀嶺にはどのような特徴があるのでしょうか
旨味・甘味・渋みのバランスが良く、すっきりと飲みやすい商品です。
北精園のお茶には、まるでお出汁を飲んでいるかのような旨味の強いお茶や、村上の在来種らしいワイルドな味わいのものなど色々とありますが、まずはバランスの整った飲みやすいものが銀嶺がおすすめです。
すっきりと飲みやすさがありつつも複雑な味わいがあり、市販のペットボトルのお茶とは全く異なる味わいを体感できるかと思います。
——銀嶺など北精園さんのお茶はどちらで購入することができるのでしょうか
ECサイトで購入していただくことが可能です。新潟県内では村上市にある2店舗(村上プラザ店・本店)で購入していただくことができます。
——村上に遊びに来たときには是非立ち寄って頂きたいですね
はい!是非ご来店いただければと思います。現在は購入のみとなってしまうのですが、実際にお茶の味わいをじっくりと体験してただけるよう、今後はカフェの併設を考えています。
——茶葉が育ったその場所で北精園さんの美味しいお茶がいただけるようになったら最高ですね!
お茶もそれぞれ種類によって味わいが異なり、お茶うけとの相性も変わってくるので、ペアリングを楽しんでいただけるような空間もできたら良いなと思っています。
——今後の展開などいろいろご予定があるかと思ますが、北精園さんのInstagramでは姉妹で情報発信されていますね
それぞれ元々の本業があり、フィールドが違うので、繋がれる人やアピールできる場、PRの仕方が異なり、より広く周知活動ができていると感じています。
——姉妹で違うスキルがあるのはいいことですね。それぞれの役割分担があるかとおもいますが、どういったバランスで担当されているのでしょうか
はい、長女はメディア関係のお仕事もしているので、PR活動が得意分野です。次女は、webライターの経験もあるため、文章で伝えることを得意としています。
うんちく好きな一面があるので、長女が説明しきれないマニアックな部分をすかさずフォローしてくれています(笑)性格の全く違う二人ですが、北精園を広めるうえではいい関係にあると思います。
——理想的な関係ですね(笑)
茶葉を使ったSDGsの活動への関心:CHABAGOTO
新たに食品廃棄物をつかった商品を作る【Re:】シリーズに加わった茶葉の端材をつかった茶器。どのような経緯から生まれたのか伺いいました。
——今回の「Re:」シリーズの器に使われる茶葉は、ECや店頭の商品として販売することができない端材にあたる茶葉ですが、SDGsへの活動に以前から興味などあったのでしょうか
SDGsの活動に関しては、目の前のできることから、まずは取り組んでみるということが大切だと考えています。お茶の端材を活用した急須・湯呑の商品化もその一環です。
いままでは、大切に育ててきた茶葉たちが捨てられてしまうのをモヤモヤをした気持ちで見ていましたが、新たな価値をつけて生まれ変わった姿を見ることができて本当に嬉しいです。
小さな取り組みではありますが、地元や未来の環境に対しての意識を高め、今後もさまざまな工夫を重ねていけたらなと思っています。
商品を手に取っていただけたお客様にも、持続可能なものづくりの意義を少しでも感じてもらえたらなと思っています。
——SAN&の我々としても北精園さんが大切に育ててきた茶葉を利用させていただくことで食品廃棄物の再生ができたことは大変光栄です。実際に出来上がった商品に触れていただいた感想はどうでしたか?
お茶を連想させる絶妙な色合いがとても気に入っています。一点一点、色ムラなどの表情が違っていて、そこがまた愛おしいです。
——北精園さんが大切に手作りで茶葉を育てるのと同じく、SAN&の製造方法も機械を使わない昔ながらの手作業にて釉薬を塗るため一つ一つの表情が変わってくるんです
普段、淹れたお茶をぼんやり眺めていると時間の経過とともに茶葉が沈んで濃い部分があったり、薄く柔らかな水色になってきたりするのですが、色ムラの感じがその感覚に似ているなあと思いました。癒されます。。
また、急須の中は十分な広さがあり、茶葉がじっくり悠々と開いていくだけの余裕があ流ので、きっと、どなたでも美味しいお茶を淹れていただけると思います。
——今回出来上がったお茶の端材から生まれた茶器はどのような展開を考えられていますか?
現在私達は、茶葉を丸ごと味わえるジェラートCHABAGOTOを販売しているのですが、今回の急須・湯呑もこのシリーズに加えることで「茶葉を無駄にせず丸ごと大切にする!」をテーマにしたシリーズを展開しようと思っています。
——「CHABAGOTO(チャバゴト)」いい響きの名前ですね!また、そのほかの展開もありそうですね。
具体的な日程などは未定ですが、「CHABAGOTO」を多くの方に知っていただくように試飲会を検討しています。
CHABAGOTOの茶器を使用してお茶を淹れて、お客様に直接味わっていただけたら嬉しいです。
——茶葉の端材で生まれた茶器「CHABAGOTO」の販売時期の予定などはありますか?
はい、11月中旬以降には現在のECサイト、村上市の店舗で販売できるように検討しています。詳細については、SNSやHP等でお知らせいたします。
——実際に今回初めてSAN&といっしょにSDGs活動の一環として器を完成させました。ご感想などあれば是非お聞かせください。
「Re:」シリーズの取り組みは本当に素晴らしいと思ってます。大切に育ててきた茶葉たちを捨てるしかなかった、もやもやとした気持ちが一気に晴れてとても嬉しい気持ちになりました。
不揃いな茶葉や端材が、生まれ変わって輝いている姿は生産者である私たちにとって本当に喜ばしいことです。。!
これから北精園としても、「Re:」シリーズの活動が広がっていくよう頑張りたいと思います!
——最後にこれから冬の季節がやってきますが、今後の活動などあればお伺いさせてください
来年も美味しいお茶ができるように、この期間中は雑草や枯葉、茶の実を取り除く作業をします。
また、これから北国の厳しい冬を迎えるので、雪の重さで木が折れないよう支えたり、冬囲いをしっかりと行っていきます。
今回はSAN&さんと一緒に茶葉の端材を利用して器作りができましたが、取り除いた茶の実を使った商品も開発にむけ取り組んでいます。
北精園の茶葉は無農薬で安全なので、茶の実の特性である抗酸化作用が高さがあり、美容効果のあるオイルが抽出できるので、ハンドクリームなど毎日利用していただける商品開発を検討しています。
——ハンドクリームはこれからの季節、必要不可欠だし楽しみですね!私達もこれから寒い冬にむけ、北精園さんのお茶をこの茶器でいただいて温まろうと思います(笑)。
本日はお忙しいところお話をいただきありがとうございました。今後もお互い「Re:」シリーズを広めるためにご協力をよろしくお願いします。
はい、これからもよろしくお願いします!
■北精園茶舗 村上プラザ店
北精園茶舗 村上プラザ店 〒958-0823 村上市仲間町200 村上プラザ1F
TEL0254-50-1120
営業時間 10:00〜19:00
HP:https://murakami-hokuseien.jp/
オンラインショップ:https://hokuseien.base.shop/
Instagram:https://www.instagram.com/hokuseien/
北星園の中村様のお話を受けて、皆様にとってRe:Green teaはどのような印象をもっていただけましたでしょうか。
商品に関わる原料の一つ一つに物語があり、それぞれに解決していかなかればいけない課題があります。
その一つとして、SAN&では我々のできる技術と想像力で新たなSDGs食器を開発できればと考えています。
SDGs食器 Re:GreenTea デザインと魅力
Re:GreenTeaシリーズはその端材を釉薬に使い、お茶と茶器との新たなつながりを生み出そうとデザインされた器です。
少し背が高くティーポットとしても使えるような急須は、和と洋どちらの場面でもお茶を楽しめるデザインになっています。
「織部」をイメージしながらすこし濃いめの色合いになっています。緑の持つ力強さが上手く表現され濃淡、色むらが自然で美しい器です。
ご購入を検討いただける場合には、ECサイト内で購入できますのでこちらからご確認ください。
SAN&の食料廃棄物を使ったものづくりへの挑戦
SAN&では、コーヒーのでがらしで作った「Re:カフェ」シリーズから始まり今回の茶葉の端材を利用した「Re:Green tea」シリーズと新たなラインナップを追加し、今後もSDGs食器の開発を進め社会貢献を進めたいと考えております。
また、様々な食品廃棄物の再利用にお困りの企業・飲食店の方からのご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
購入をご検討の方は下記のリンクからお進みください。